主な仕様 |
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内蔵チップ |
VIA Envy24HT |
内蔵DAC |
WM8740、WM8776、WM8766 |
S/N比 |
115dB(A-フィルタ、ライン出力) |
周波数特性 |
0.3kHz~88kHz(+0/-3dB,ライン出力)0.3kHz~20kHz(+0/-0.5dB,マルチ出力) |
サンプリング周波数 |
~192kHz(アナログ、デジタル出力) |
対応OS |
Windows 2000/XP |
外形寸法 |
22×121×163mm |
質量 |
180g |
コンデンサーがまるで石油コンビナートのようなサウンドカードをレビューしたい。オンキョー(WAVIO)のSE-200PCIだ。
購入動機はAUDIOTRAK(オーディオトラック)のサウンドカード、Prodigy 192VEの動作が不安定で、私の環境では全く使い物にならなかったから。Prodigy 192VE バルク(AUDIOTRAK)のレビューでも述べたとおり、このサウンドカードは音質や機能はよかったのだが、ノイズが入りまくりでそれどころの話ではなかった。
さすがにもう一回こんな目に遭うのは御免だったので、安定性・音質ともに定評のあるオンキョーのサウンドカードを購入することに決めた。どうせ買うなら、最上位機種を買おうとSE-200PCIにした。価格は一気に跳ね上がるが、安定性や作りを考えると、特別惜しくはない。シリーズとしては下位機種にSE-90PCIがあるけど、SE-200PCIに比べて作りがかなり劣る。
さて、1万円以上するサウンドカードは一体どんな製品なのか?早速レビューしていこう。
二重になった外箱に本体、オーディオ用ピンコード(0.8m)、マルチ入出力コード、光デジタルケーブル(1.0m)、ミニジャックアダプター、インストールマニュアル、インストールCD、保証書などが入っている。さすがに高価なサウンドカードだけはあって付属品が豪華だ。
保証書の保証期間はいつもどおりメーカー保証が1年。
青っぽい長方形の基板に高そうなコンデンサーが所狭しと並んでいる。チップやDAC、オペアンプなどを含めるとその集積密度が半端ない。所々にノイズ対策と思われる銅板も付いていて芸が細かい。基板フェチの人はこれだけで満足しそう。
端子は左からRCAピンプラグの2ch専用ライン出力端子、デジタル入力端子、デジタル出力端子、マルチ入出力コネクタが付いている。付属のマルチ入出力コードを使用することでマルチチャンネルに対応する。
内蔵端子は一つも付いていない。環境によっては不便になるので注意が必要。
SE-200PCIには同社のPCスピーカーのGX-77M同様、「VLSC」と呼ばれるノイズを低減する回路が備わっている。GX-77Mではその回路を見ることはできなかったが、このサウンドカードではこんな風になっているのか。回路を左右に独立させ、それぞれに電源とコンデンサーを搭載して音質を高めているらしい。オペアンプは新日本無線のMUSES8920が6個付いている。
チップはVIA(ヴィア)のEnvy24HT。Envy24シリーズでは最高グレードのものだ。
DACはWolfson(ウォルフソン)のWM8740、WM8776、WM8766の3つが搭載されていて贅沢だ。2ch専用の出力にWM8740、マルチチャンネルのフロント出力にWM8776、それ以外がWM8766という風に作業するDACを分担している。コンデンサーは、三洋の「OS-CON」とニチコンのコンデンサーを併用しているようだ。
最後に、外観とは直接関係しないが、取り付けとドライバのインストールは、付属のインストールマニュアルを見ればわかる。ドライバは、玄人志向のENVY24HTS-PCIと同じく、VIAのドライバを使う。デフォルトではASIOなどの機能は使えないが、安定性は高い。VIAの公式ホームページから最新のドライバをダウンロードして使おう。
環境:2ch専用ライン出力→GX-77M(W)(オンキョー)
音質はAUDIOTRAKのProdigy 192VEより上。一聴してクリア感や低音、重厚感が増したのがわかる。ノイズはほぼ皆無。動作は安定していて、Prodigy 192VEに見られた変なノイズもない。正直言って、PCIスロットのサウンドカードからこんな音が出るのかとびっくりするぐらいの音質。PCスピーカーでしか音楽を聴かないなら、これ以上のサウンドカードはもういらないだろう。
オンキョーのSE-200PCIはVIAのドライバを使用しているので、機能面はいまいちだが、安定性や作り、音質はどれを取っても申し分ない。特にアナログ出力の音質は、過去にレビューした安いサウンドカードとは比べ物にならない。さすがに値が張るだけのことはある。
音楽鑑賞用途で、アナログ出力の音質をアップさせたいなら、このサウンドカードはおすすめだ。
作り | デザイン | 音質 | 楽しさ |
---|---|---|---|
4 | - | 3.5 | 3.5 |
○メーカーホームページ:オンキョー
定価 | 購入日 | 購入店 | 状態 | 購入価格 |
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オープン | 2007/09/21 | NTT-X Store | 新品 | 14,170円 |
私の購入記録は上記のとおり。レビュー時点で生産終了しているので、詳細は記載しない。
最安値は私の知る限りではNTT-X Storeの新品8,980円。X-DAYセール時に付けた値段だ。
※商品価格はいずれも税込表示。
SE-200PCIは生産終了。後継機種はSE-200PCI LTD。オンキョーのサウンドカード発売10周年を記念するモデルである。LTD(リミテッド)の名にふさわしく、仕様や音もきっちりグレードアップされているようだ。
追記:パソコンの買い替えに伴い、普通のPCIスロットがPCI Expressスロットに置き換わってしまった。PCIとPCI Expressは互換性がないため、SE-200PCIはもう使えない。このサウンドカードの音は、お気に入りだったので本当に残念だ。今は仕方なく古い自作PCで使い回している。追記:PCIスロットをPCI Expressスロットに変換するキットがあるようだが、接続が無理矢理すぎるので購入するのはやめた。
よって、メインPC用に、コルグのUSB DAC(ヘッドホンアンプ)のDS-DAC-10-SVを買い足した。