サウンドカードの市場は、USB DACにほとんど取って代わられたようだ。サウンドカードの最後の砦は、CREATIVE(クリエイティブ)のサウンドブラスターシリーズか。他の機種は後継がなかなか出てこないのである。これは、メーカーがサウンドカードよりUSB DACの方が有力だと判断してのことだろう。私も以下の理由から、USB DACがサウンドカードよりおすすめである。
※ここではサウンドカードとは、内蔵型のサウンドカードを指す。サウンドカードは、一般的に内蔵型しかありえないと思うのだが、なぜか価格比較サイトなどでは、サウンドユニット(サウンドデバイス)と呼ばれる、外付け型のサウンドカードが存在するので一応区別しておく。しかし、これはどう見てもUSB DACである。
USB DACは、外付け型でパソコン内部のノイズの影響を受けないため音質が良い。それに対して、サウンドカードは、内蔵型でパソコン内部のノイズの影響を受けるため音質が悪い。パソコン内部はノイズだらけなので、この違いは大きいだろう。
私が現在使っているコルグのUSB DAC、DS-DAC-10-SVは電源がUSBバスパワーで購入価格が2万円ほどだが、音質はなかなか良い。最近のサウンドカードはかなりのノイズ対策が見られるけど、外付け型の方が作りをよくしやすいので、やはりUSB DACが音質的に有利である。
また、USB DACは、ACアダプターを使って外部から電源を取るものもあるため、音質的にさらに有利になる。
USB DACは外付け型なので導入が簡単である。実質パソコンとUSBケーブルで接続し、OS上で使えるように設定するだけ。よって、デスクトップパソコンにもノートパソコンにも簡単に導入できる。
それに対して、サウンドカードは内蔵型なので導入がやや面倒。PCケースを開けてPCI Expressスロットに挿し、元の状態に戻してから、OS上で使えるように設定する必要がある。よって、PCの知識がやや必要になるし、基本的にデスクトップパソコンにしか導入できない。
上記のように、USB DACはPCI Expressスロットを占有しない。一方、サウンドカードはPCI Expressスロットを占有する。ミニタワー以下のデスクトップパソコンなどでは、PCI Expressスロットが少ないので、サウンドカードで占有したくないのが実情だろう。
逆に、ミドルタワー以上のゲーム用のデスクトップパソコンなどでは、PCI Expressスロットが多いので、サウンドカードで占有したくなるかもしれない(笑)。CREATIVEのサウンドブラスターシリーズが、いつまでも需要があるのはわかる気がする。ゲーム目的の人は、音質よりサウンドブラスターのサラウンドを重視するだろうからなおさらだね。
上述したように、USB DACは外付け型なので、簡単に持ち運べて使い回しやすい。一方、サウンドカードは内蔵型なので、簡単に持ち運べないし、使い回しにくい。USB DACは対応しているなら、タブレットPCやスマートフォン、DAPなどに使い回すことも可能である。
以上の理由のほかに、サウンドカードのメリットが少なくなったこともあるだろう。例えば、安定性である。昔、サウンドカードはUSB DACより安定性に優れていた。音飛びや遅延が発生しないのは、明らかにサウンドカードの方だった。
しかし、今はパソコンの性能が上がって、サウンドカードでもUSB DACでも、安定性が変わらなくなってきている。よって、サウンドカードのメリットは、USB DACより価格設定がやや安いことと、設置するスペースがいらないことぐらいになってしまった。
USB DACがサウンドカードよりおすすめの理由は、音質が良くて導入が簡単、PCI Expressスロットを占有しない、使い回しやすいなどメリットが多いからである。
結局、サウンドカードのメリットは、USB DACより価格設定がやや安いことと、設置するスペースがいらないことぐらいなので、これからPCで音楽鑑賞にはまるなら、サウンドカードよりUSB DACを購入した方が良いだろう。