主な仕様 |
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型式 |
アンプ内蔵2ウェイ・バスレフ型 |
使用スピーカー |
ウーファー:10cm A-OMFコーン ツィーター:2cm バランスドーム |
定格周波数範囲 |
40Hz~100kHz |
入力インピーダンス |
30kΩ |
最大出力 |
15W+15W(4Ω) |
外形寸法 |
Rch:137W×229H×196Dmm Lch:137W×229H×191Dmm |
質量 |
Rch:3.6kg Lch:2.5kg |
消費電力 |
40W |
その他 |
防磁設計(JEITA) |
アクティブスピーカー(アンプ内蔵スピーカー)では、唯一ウーファーとツィーターによる同軸2Wayを実現しているGX-77M(W)をレビューする。オンキョー(WAVIO)のPCスピーカーだ。
色は(B)ブラック、(W)ホワイトの2色がある。
私は同社のGX-R3X(W)を購入して、ひとまずは満足していた。だが、音量が上げられないことが段々不満になり、また買い替えてしまった。結局、GX-R3X(W)は1年程度しか使わなかったことになる。肝心の音量は6W+6Wから15W+15Wになるので2倍以上に。
音量だけでなく、このPCスピーカーは、ウーファーとツィーターによる同軸2Wayを採用しているなどかなり変り種なので、しっかりとレビューしていこうと思う。
大きめのしっかりした外箱に本体、アナログ入力用接続コード、Rチャンネル⇔Lチャンネル接続コード、スペーサー(インシュレーター)、取扱説明書、保証書(外箱に添付)などが入っている。
※画像は、本体に別売りのオーディオテクニカ製のインシュレーターを装着済み。
保証書の保証期間はいつもどおりメーカー保証が1年。
このPCスピーカーは電源アダプターが付属していない。本体に電源コードが固定で接続されている。持ち運びや取り回しはしやすいことになるが、スピーカー自体が重いのであまり意味がない。
電源コードにはよく見ると、白いラインが入っている。これは極性を管理するためのものだ。白いラインが入っている方を家庭用電源コンセントの溝が長い方に合わせて差し込むと、音がよくなるというおまじないがある(笑)。
全体的になかなか良い。PCスピーカーにしては価格が高めなので当たり前だが、全体的に木でしっかり作られている。正面のパネルがプラスチック製、背面のパネルが金属製以外は全て木製だと思われる。塗装も特に問題ない。ただ、色は一部の商品画像に見られるようなパッと明るい白ではないので拍子抜け。特に正面パネルはホワイトというよりどちらかというとグレーに近い。
スピーカーの正面両端には、スリットダクトと呼ばれる低音を響かせるための溝がある。サランネット(スピーカーユニットを保護するネット)は簡単に着脱できる。
サイズと重量は普通のPCスピーカーよりかなり大きくて重い。設置できるのか定規などで確かめてから購入すること。
デザインは好みの問題があるが、色使い含めやや悪い。いかにもスピーカーというデザインとくすんだ色が悪印象。
サランネットを取り外すと、このPCスピーカー一番の売り、ウーファーとツィーターの同軸2Wayユニットが顔を覗かせる。ツィーターにちゃんとガードが入っている点などは良いのだが、スピーカーユニット自体がややくすんでいて汚いのが残念。
右チャンネルのスピーカーの正面下に、ヘッドホン端子や入力切替ツマミ(アナログ入力とデジタル入力を切り替えるつまみ)、バスツマミ(低音の量を調節するつまみ)、トレブルツマミ(高音の量を調節するつまみ)、パワーインジケーター(電源ランプ)、スタンバイスイッチ/ボリュームツマミ(音量を調節するつまみ)がある。ヘッドホン端子はきっちり金メッキ処理されている。
スタンバイスイッチ/ボリュームツマミ以外の全てのつまみは、あらかじめ中間の位置に設定されているのは良いが、ガタつきが気になる。GX-R3X(W)やSW-5A(W)でもこんなことはなかったので残念。もっとしっかり付けられなかったのだろうか?
スタンバイスイッチ/ボリュームツマミはOFF側いっぱいに回すと、スタンバイ状態になるというわけのわからない仕様になっている。まあ、あまり気にしなくて良い。音量を調節する際、ガリノイズ(ガリガリというノイズ)はややあるが、この辺りは個体差もあるので何とも言えない。このつまみもガタつきが気になる。
ヘッドホン端子の音質はぎりぎり使えるかなというレベル。サウンドカード直挿しの方が音質が良いので、進んで使う気にはなれない。
背面のパネルの材質は、左チャンネルのスピーカーが塗装されていて不明、右チャンネルのスピーカーが金属。左チャンネルにRチャンネル⇔Lチャンネル接続コードの接続口、右チャンネルに主電源スイッチや各接続端子などが存在する。主電源スイッチが背面にあるので、電源を入れる際、背面まで手を伸ばさないといけないのがやや面倒。
RCAピンプラグの各端子はきっちり金メッキ処理されている。サブウーファー端子も付いているため、後からサブウーファーを付け足せる。
また、このPCスピーカーにはデジタル入力端子も付いている。内蔵DACはWolfson(ウォルフソン)のWM8716とのこと。「VLSC」というオンキョー独自のアナログ変換回路も使われていて、音がよさそうだ。サウンドカードの性能と相談して使えば良い。
下面には、付属のスペーサー(コルク製のインシュレーター)が取り付けられるが、私は別売りのオーディオテクニカ製のインシュレーター(AT6089CK)を取り付けている。下面も塗装されているので、一度インシュレーターを両面テープで取り付けると、取り替える時に塗装がはげないかやや心配。左右のスピーカーの穴は、スピーカーをスタンドに固定させるためのものだ。
設定:GX-77M(W)のバスツマミとトレブルツマミはちょうど中間の位置
環境:SE-200PCI(オンキョー)の2ch専用ライン出力
音の傾向はややかまぼこ(中音強調型)。音自体は太すぎず、細すぎずちょうど良い。高音の量、低音の量ともやや少ないが、至近距離で聴くなら、この程度でも良いだろう。声などの中音は他の音に埋もれずはっきり聴こえてくるし、ウーファーとツィーターの同軸構造ゆえの定位感がある。
音場は価格、サイズなりか。ユニットがフルレンジ仕様なので、臨場感にはやや欠ける。
基本性能、原音忠実性、質感、鮮やかさ、厚み、ノリ、打ち込み表現はどれを取っても価格なりにはある感じ。楽器も特に苦手といったものはないように思う。
合う曲のジャンルは私の聴くポップス、ロックならオールマイティー。ただし、打ち込み系は低音が不足気味に感じるかもしれない。その場合はサブウーファーを付け足せば良い。このPCスピーカーは基本的に同社のGX-R3X(W)に音が似ている。バランス、コストパフォーマンスとも良い。
また、これは補足だが、大音量で聴いても、スピーカーがビリビリ震えることは全くなくなった。半分ぐらいの音量でも十分大きい音が出て、出力に余裕があるのがわかる。
高音や低音、臨場感をそれほど求めない、至近距離で聴く人のためのスピーカー。仕様も独特で、所有感があり、PCスピーカーとしては十分な出力もある。私は個人的には同社のGX-R3Xの作り、出力、音質の全てをグレードアップさせたようなスピーカーに感じた。この音作りがPCスピーカーの用途に一番向いているのではないか。
作り | デザイン | 音質 | 楽しさ |
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3.5 | 2.5 | 3.5 | 3.5 |
○メーカーホームページ:オンキョー
定価 | 購入日 | 購入店 | 状態 | 購入価格 |
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26,250円 | 2006/09/22 | NTT-X Store | 新品 | 15,500円 |
私の購入記録は上記のとおり。代引きで買ったので、代引き手数料420円をプラスし、実質15,920円。
最安値は私の知る限りではNTT-X Storeの新品9,980円。ナイトセール時に時々この値段で売っていた。よって、代引きで買う場合、9,980円+送料無料+代引き手数料420円=合計10,400円になる。私が買った値段よりも5,000円以上も安い。
※商品価格はいずれも税込表示。
つまみで調節しても、GX-77Mの高音に不満がある人は以下の項目を試してみてはどうか。
私は高音に不満があるわけではないが、一応一通り試してみようと思う。低音はサブウーファーを付け足すことで改善するだろう。私もGX-R3X(W)と併用していたSW-5A(W)を使用している。
追記:GX-77M(W)にオーディオ用の高級な御影石(オーディオボード)を敷いてみた。詳細はPCスピーカーに御影石(オーディオボード)を敷いてみたに記載。
追記:付属のスピーカーケーブルがちゃちいので、GX-77M用のスピーカーケーブルを自作してみた。詳細はGX-77M用のスピーカーケーブルを自作してみたに記載。
追記:4年ほど使用した頃から、よく使うボリュームツマミの塗装がはげ出した。