主な仕様 |
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型式 |
密閉ダイナミック型 |
ドライバー直径 |
40mm スーパーハードコートダイアフラム |
周波数帯域 |
20~20,000Hz |
最大許容入力 |
2,000mW |
インピーダンス |
30Ω |
感度 |
100dB/mW |
質量 |
約250g |
プラグ |
ステレオ標準(ニッケルメッキ) |
コード |
2.5m 銅錫合金絹巻線(片出し) |
オーディオテクニカは、日本のオーディオメーカーとして非常に有名で、多種多様のヘッドホンとイヤホンを販売しているが、業務用のモニターヘッドホンもその中に含まれる。それがこれ。「オーテクの隠された名機」ともうたわれ、音楽鑑賞にも向くという。
業務用のヘッドホンがどんな音を出すのか興味があったし、何といっても安かった(笑)!通販で特売12,800円!定価は26,250円というから半額以下だ。このヘッドホンは家電量販店ではまず取り扱っていない特殊なものだし、天然コラーゲン配合レザーに後押しされたこともあって購入に至った。
※ATH-SX1はその後、生産終了してしまった。詳細はその後の項目参照。
程々の大きさの外箱に本体、保証書が入っている。それにしても何とも素っ気ない外箱。白一色。店頭では売る気はないようだ。梱包も一般的なヘッドホンと違い、ビニール袋にただ入っているだけ。この辺もさすがは業務用と思わせる。外箱の【MADE IN JAPAN】のシールだけがやたら誇らしげ。
保証書の保証期間はメーカー保証が1年。同じオーディオテクニカのATH-AD500では保証期間が3年あったが、これは1年だ。
全体的に普通か。非常にさっぱりとした外観。調節機構付近の頼りないコードが断線しないかやや心配だが、モニターヘッドホンはどれもこんなものだ。過酷な使用に耐えうる設計になっているはずであり、そういう意味で安心感というオーラを放っている。ハウジングはプラスチックで、塗装しているものと思われるが、わずかに塗装垂れのような跡があるのが気になる。個体差か。
調節機構はネジで固定するタイプ。目盛りなどは付いておらず、左右対称に合わせるには定規などで測る必要がある。しかし、調節幅は一度固定してしまえばまず変わることはないし、自分専用のヘッドホンとするならこちらの方が良いだろう。
デザインは好みの問題があるが、色使い含めやや悪い。ゴキブリのよう。
ヘッドバンドは天然コラーゲン配合レザーで肌触りが良い。装着感を考慮し、内部にクッションが施されている。
イヤーパッドも天然コラーゲン配合レザーで柔らかい。肌触りは極上。付いた油分は見えるので気になるが、シワがなく取りやすい。ドライバー部分がやたら光って目立つと思ったら、塗装されていないようだ。経年劣化で錆びてこないかやや心配。
コードは片出し。長さ2.5m、太さ約4mm。布巻きで硬くも柔らかくもなく、扱いづらくはない。コードの被覆にシルク糸を使用し、HPコード、およびワタリコードの線材には、屈曲強度に優れた合金線を採用とのこと。
プラグはステレオ標準プラグ。ニッケルメッキ処理されている。
また、外観とは直接関係しないが、ハウジングを反転させて片耳モニターできる。いかにも業務用らしい。
かなり良い。イヤーパッドは天然コラーゲン配合レザーで非常に心地よく、肌触りも極上。その上側圧もやや緩く、装着感に貢献している。重量は普通だが、イヤーパッドと側圧のおかげか若干軽く感じる。頭頂部も気にならない。
ハウジングの角度調節は上下左右にできる。イヤーパッドは耳全体を覆い、耳の上に乗ってくるが、ほとんど気にならない。夏場などはひんやり気持ち良いぐらい。密閉ヘッドホン特有の蒸れやすさはある。遮音性、音漏れ防止は側圧が緩めな割には良い。
環境:SE-200PCI(オンキョー)の2ch専用ライン出力→MiniAMP Amp800(BEHRINGER)
音の傾向はややかまぼこ(中音強調型)か。音自体は細めで力感がやや足らない。よく言えば、優しい音。高音の量は適度。そのおかげか、オーディオテクニカ特有の金属感も若干ましに聴こえる。低音の量はやや少ない。こもりはほとんど感じないし、非常に聴きやすい。声などの中音は他の音に埋もれずはっきり聴こえてくる。
音場は耳に近いところで音が鳴るのが気になるが、モニターヘッドホンとして見ればましな方か。左右の広がりは普通。妙な残響感というかこの機種独特の響きがあるが、定位はきっちり決まる。
基本性能、原音忠実性、質感、鮮やかさは価格以上の価値がある。基本性能、原音忠実性はさすが業務用というところだし、質感も滑らかで柔らかく、繊細かつ艶っぽい。蒸留水のように綺麗といわれるのは理解できる。鮮やかさも高音は適度だが、十分鮮やか。
厚み、ノリ、打ち込み表現はすべて価格なりか。厚みはやや薄いし、低音が少ないことが悪影響。だが、切れは感じる。楽器も特に苦手といったものはない。
合う曲のジャンルはポップス。ロックも悪くないが、低音が少ないことがやや気になる。バランス、コストパフォーマンスは良い。しかし、優しい音も相まって大人しすぎる気もする。
レビューしてわかったことは外観、装着感、音ひっくるめて非常に使いやすいということ。このヘッドホンはそれに尽きるのではないだろうか?原音忠実性だけでなく、そういうところも考えられて設計されているのだろう。さすがは業務用だ。
使用頻度は自ずと高くなるとは思う。長時間リスニングする人にも、聴き疲れない音で最適といえるかもしれない。しかし、楽しくない。どこまでも優しく大人しい。
面白みはないが、非常に使いやすい良い道具。
作り | デザイン | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ防止 |
---|---|---|---|---|
3.5 | 2.5 | 4 | 3.5 | 3.5 |
携帯性 | 音質 | 楽しさ |
---|---|---|
1.5 | 3.5 | 2.5 |
○メーカーホームページ:オーディオテクニカ
定価 | 購入日 | 購入店 | 状態 | 購入価格 |
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26,250円 | 2008/03/08 | 宮地楽器 | 新品 | 12,800円 |
私の購入記録は上記のとおり。レビュー時点で生産終了しているので、詳細は記載しない。
最安値は私の知る限りでは宮地楽器の新品12,800円。ATH-SX1のようなモニターヘッドホンは、最寄りの家電量販店などにはまず置いていない。ネット通販で買うしかないと思う。
※商品価格はいずれも税込表示。
ATH-SX1は生産終了。後継機種はATH-SX1a。仕様や音はほとんど変わらないとのこと。世評による違いは次のとおり。
追記:2年ほど使用した頃に、天然コラーゲン配合レザーのイヤーパッドに問題が起きた。詳細はATH-SX1のイヤーパッドをHP-SX1a(オーテク)に交換するに記載。
追記:6年ほど経過した頃から、天然コラーゲン配合レザーのヘッドバンドが、経年劣化でボロボロとはがれ始めた。手に黒い粉が付いて使いにくいので、サランラップを巻いて使っていたが、見た目がもうあまりにも悪い。
よって、ATH-SX1にヘッドバンドカバー(Geekria)を装着することにした。詳細はATH-SX1にヘッドバンドカバー(Geekria)を装着するに記載。
追記:ATH-SX1のイヤーパッドは、5年ぐらいの周期でメーカー純正のHP-SX1aに交換していたが、価格がやや高いので、ノーブランド品を試してみた。詳細はATH-SX1のイヤーパッドをノーブランド品に交換するに記載。