ATH-AD500(オーディオテクニカ)のレビュー

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ATH-AD500の画像

主な仕様
型式
開放ダイナミック型
ドライバー直径
53mm CCAWボイスコイル
周波数帯域
10~30,000Hz
最大許容入力
500mW
インピーダンス
66Ω
感度
99db
質量
約260g
プラグ
ステレオミニ(金メッキ)
コード
3.0m OFC(片出し)

国産メーカー、オーディオテクニカのヘッドホン。

メーカーとしてはヘッドホン業界で国内最大手。ソニーと双璧を成すらしい。実際、どこの家電量販店でもここの製品は取り扱われているし、よく売れているみたいだ。

オーディオテクニカは、限定物含め、数々のヘッドホンとイヤホンを販売している。リスニングヘッドホンの主流は、「アートモニター」と呼ばれるATH-Aシリーズ(密閉型)と「エアーダイナミック」と呼ばれるATH-ADシリーズ(開放型)のふたつである。

ATH-ADシリーズにはATH-AD500のほかにATH-AD300、ATH-AD400の下位機種とATH-AD700、ATH-AD900、ATH-AD1000、ATH-AD1000RPM、ATH-AD2000の上位機種がある(2008年10月現在)。

下位機種は、上位機種と比べるとドライバー含め、物理的に若干小さいが、このヘッドホンはさほど変わらないようだ。開放型ヘッドホンがどんな音を出すのか興味があったし、実売8,000円とそれほど高くないので購入してみた。

程々の大きさの外箱に本体、変換プラグ(ステレオミニ→ステレオ標準)、保証書が入っている。

※外箱は捨ててしまったので、残念ながら画像でアップできない。

変換プラグは金メッキ処理されているし、微妙に色分けされている。

保証書の保証期間はメーカー保証が3年。これは凄い。メーカー保証が3年もあるのは私が知る限りではここだけだ。3年は壊れないという自信の表れか。こういうところで、そのメーカーに対する信頼度がグッと上がる。

外観

全体的に良くも悪くもない。プラスチックの部分が多いが、半光沢仕上げで最低限の質感はある。ハウジングは銀色の部分がアルミニウム。他はプラスチック。ヘッドバンドをまたぐ2本の棒は何か薄いゴムのようなもので保護されている。

デザインは好みの問題があるが、色使い含め普通。

ヘッドバンドは独特。左右から2枚の羽のようなものが伸びる形。オーディオテクニカはこれをウイングサポートと呼んでいる。調節機構をかね、頭を軽く保持する。材質はプラスチックでパッドも付いており、上下左右の角度調節までできる。パッド自体はジャージ素材で柔らかい。

イヤーパッドはベルベット調の布製で柔らかくも硬くもない。肌触りは普通。中心が窪んでおり、耳が当たりづらくなっている。付いた油分は見えないので気にならない。

コードは片出し。長さ3.0m、太さ約4mm。硬さは普通で扱いづらくはないが、やたらクルクルねじれるのが気になる。

プラグはステレオミニプラグ。金メッキ処理された標準的なもの。付属の変換プラグでステレオ標準プラグに変換できる。

装着感

かなり良い。特に装着のしやすさは特筆もの。ハウジングも大きく持ちやすい上、ただ被るだけ。あらかじめ頭のサイズに合わせて調節する必要もない。側圧、重量とも普通で頭頂部も大して気にならない。ただし、ウイングサポートは頭に接触する部分が小さいので、やや髪が乱れやすい。

ハウジングの角度調節は左右方向にはできるが、上下方向にはできない。イヤーパッドは耳全体を覆い、耳には若干接触する程度。開放型なので遮音性、音漏れ防止はないに等しい。

環境:SE-200PCI(オンキョー)の2ch専用ライン出力→MiniAMP Amp800(BEHRINGER)

音の傾向はややドンシャリ(高音・低音強調型)か。音自体はやや細め。高音は量がやや多く、金属的でシャリつく。低音は量は適度だが、深さや締まりがなく、全く目立たない。こもりは皆無。声などの中音は他の音に埋もれずはっきり聴こえてくる。

音場は耳に近いところで音が鳴るのが気になるが、左右の広がりはあるし、音の抜けも良い。ただし、抜けすぎて厚みが足らない。かなりスカスカな音に聴こえる。

基本性能、鮮やかさは価格以上の価値がある。基本性能は分解能という面ではそれほど良いとは思わないが、解像度という面では線の細い音が有利に働く。鮮やかさもシャリつくほどの高音で十分鮮やか。

原音忠実性、質感、ノリ、打ち込み表現はすべて価格なりか。

原音忠実性は、高音がシャリつくことと厚みが薄すぎることが原音忠実といえるかどうかだが、特別気になる音を出しているわけではない。質感も金属的で艶やかさは最低限だが、粗や歪みがそれほど醜いわけではないし、繊細さもある。ノリ、打ち込み表現も低音の存在感がないことがマイナスだが、それほど鈍重ではないし、ノリも悪くはない。どれも価格なりとはいえるだろう。

楽器は高音がシャリつくせいでシンバルがややうるさい。

合う曲のジャンルはポップス。ロックは低音の存在感がなく、音がスカスカなことが気になる。コストパフォーマンスは悪くない。綺麗な音で入門者にはウケそう。

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まとめ

ATH-AD500の画像2

レビューしてわかったことは外観、装着感、音どれも価格なりはきっちりあるということ。開放型の入門用に薦められるのも頷ける。ただし、音は好みがはっきり分かれそうなので、一度試聴してみること。

薄味だが、はまれば長く連れ添う相棒になるだろう。

作り デザイン 装着感 遮音性 音漏れ防止
3 3 4 2 2
携帯性 音質 楽しさ
1 3 3

○メーカーホームページ:オーディオテクニカ

ATH-AD500の購入記録と最安値

定価 購入日 購入店 状態 購入価格
オープン 2005/12/28 ジョーシンweb 新品 7,365円

私の購入記録は上記のとおり。送料無料セール時に代引きで買ったので、代引き手数料315円をプラスし、実質7,680円。

最安値は私の知る限りではニンレコの新品4,740円。数量限定の処分品なので、載せるかどうか微妙なところだが、一応載せた。 ここの処分特価以外だと7,000円台が最安と思われる。7,000円台で販売している店は結構あるので送料、手数料などを検討して買えば良い。

追記:2013年5月現在の最安値は、ケーズデンキオンラインショップの新品3,980円。数量限定なので、すぐに売り切れてしまったようだ。

※商品価格はいずれも税込表示。

その後

ATH-AD500は使い込むことによって高音、低音が若干改善。イヤーパッドがやや潰れたのも影響か。

追記:ATH-AD500は生産終了。後継機種はATH-AD500X。モデルチェンジされて、仕様や音にかなりの違いがある。全く別のヘッドホンになったと見た方が良いだろう。

追記:7年ほど経過した頃から、イヤーパッドの布の部分以外が、経年劣化でボロボロとはがれ落ち、手に黒い粉が付くようになってしまった。

布の部分はまだまだいけそうなのだが、非常に使いにくいので、ATH-AD500の交換イヤーパッド(HP-AD500)を購入しようか迷っている。価格はサウンドハウスで税込2,400円。8,000円程度のヘッドホンのイヤーパッドを変えるのに、この値段を払うのは正直微妙なところだ。

追記:しばらくしてから結局、サウンドハウスで交換イヤーパッドを買った。交換イヤーパッドは、同社のHP-SX1aと同じように白い箱に入っている。交換は、HP-SX1aには同封されていなかった【交換のしかた】という説明書が付いているのでわかりやすい。全く同じイヤーパッドのため、外観や装着感、音は当然変わらない。

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