SBC-HP830(PHILIPS)のレビュー

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SBC-HP830の画像

主な仕様
型式
密閉ダイナミック型
ドライバー直径
40mm
周波数帯域
20~20,000Hz
最大許容入力
1,500mW
インピーダンス
32Ω
感度
104dB
質量
約300g
プラグ
ステレオミニ(金メッキ)
コード
3m(カール)(片出し)

オランダのメーカー、PHILIPS(フィリップス)のヘッドホン。PHILIPSというとひげ剃りを連想するが、こんなものまで出しているのか。

私が購入した初の海外製ヘッドホンである。まあ、海外製とはいっても、生産国はどうせ中国か東南アジアだろうが。

このヘッドホンも、5,000円未満の定番として色々なサイトで取り上げられており、今さらレビューする必要はないかもしれない。しかし、5,000円未満でこれだけ音のバランスが良い機種は、なかなか出ないと思うし、生産終了してしまっている記念品なので、一応レビューしておく。

程々の大きさの外箱に本体、カールコード、変換プラグ(ステレオミニ→ステレオ標準)が入っている。保証書はシールとして箱に添付されている。梱包が懇切丁寧で本体を取り出すのに一苦労。

※外箱は捨ててしまったので、残念ながら画像でアップできない。保証書もシールとして外箱に付いているため同様。保障期間は6ヶ月だったように思う。カールコードの詳細は外観の項目参照。

変換プラグはきっちり金メッキ処理されている。

外箱からして、アイワのHP-X122より本格的なヘッドホンであることがわかる。PHILIPSの中級ヘッドホンとのことだが、同時期に発売された他のヘッドホンは、SBC-HP1000ぐらいしか知らない。SBC-HP830より下位機種があるのだろうか?

外観

全体的になかなか良い。結構大柄なヘッドホンなのだが、実売4,000円程度でこのクオリティーを保っていることには素直に驚く。ハウジングにも一部にアルミが使用されているし、ヘッドバンド含め、周辺パーツも薄い人工皮革できっちり保護されている。その縫い込みも価格の割に丁寧。

ただし、ハウジング中央の【PHILIPS】の文字がプリントされたパーツとハウジング側面は、残念ながらプラスチック。

デザインは好みの問題があるが、色使い含め普通。

ヘッドバンドにはパッドがちゃんと付いている。パッド自体は薄く柔らかい。この機種はヘッドバンドに調節機構を備えているが、動きがあまり滑らかではない。装着感がやや心配か。ヘッドバンド上面には【PHILIPS】の文字。大きすぎず雰囲気も良い。

イヤーパッドは安っぽいシワのない人工皮革でやや硬い。やや硬いが、肌触りが悪いことはない。ただこのパッド、何だか形が不均一。「ちゃんと装着できるのか?」と思ってしまう。この辺りは価格なり。付いた油分は目立つので気になるが、シワがない分取りやすい。

コードは片出し。本体側で着脱可能なカールコード。「この価格帯で?」と2度目の驚き。本体側のプラグ(ステレオ超ミニ)も、きっちり金メッキ処理されている。ただ、コード自体は若干てかりがあり安っぽい。

コードの装着は、本体側の縦線とコード側の縦線を合わせる形で差し込んで、反時計回りに回す。これでロックがかかり抜けなくなる。着脱する際は反対のことをすれば良い。コードの長さは3m、太さは約4mm。硬くも柔らかくもなく、特に扱いづらさは感じないが、カールの先端がすぐあらぬ方向に折れ曲がるのが気になる。この点は個体差があるか。

プラグはステレオミニプラグ。きっちり金メッキ処理されているし、グリップ部分もごく普通の大きさ。付属の変換プラグでステレオ標準プラグに変換できる。ねじ込み式。

装着感

この機種最大の難点。まず装着するまでがやや難。重量は軽くも重くもないのだが、ヘッドバンドの調整機構が滑らかに動かないせいで、頭頂部にやや負担がかかる。

それから、イヤーパッドが完全に耳に密着しない。頭の大きさが関係しているのかもしれないが、私が装着すると下の部分にどうしても隙間が開いてしまい、低音が逃げてしまう。これは痛い。ハウジングが上下方向にほとんど角度調節できないことと、イヤーパッドの形状が均一ではないことが関係しているように思えるのだが・・・。

頭が小さい人なら問題ないのだろうか?まあ、いずれにしても頭の大きさで装着感が変わる時点で問題。

側圧は普通。イヤーパッドは耳全体を覆うが、耳の上に乗ってくる。密閉ヘッドホン特有の蒸れやすさはややある。遮音性、音漏れ防止は許容範囲。ハウジングの角度調節は左右方向には十分できる。上下方向にも多少動くが、角度調節できるようになっているのか、パーツのガタなのかわからない。

環境:SE-200PCI(オンキョー)の2ch専用ライン出力→MiniAMP Amp800(BEHRINGER)

音の傾向はややドンシャリ(高音・低音強調型)。音自体は太すぎず、細すぎずちょうど良い。高音、低音とも量は若干多めで明るめの音調。高音がややシャリつくか。こもりはほとんど気にならない。声などの中音は他の音に埋もれずはっきり聴こえてくるが、オーディオテクニカなどの国産メーカーの機種と比べると、若干遠目から聴こえる。

音場は価格以上の価値があるが、妙な残響感があり独特。ただし、この辺りは好みの問題もあるし、価格を考えれば十分許容範囲。

基本性能、原音忠実性、質感、鮮やかさ、ノリ、打ち込み表現はすべて価格の割りにかなり良い。特に質感は素晴らしい。この価格帯では必ずあるであろう粗や歪みを、艶やかさでごまかせている。厚みはあることはあるのだが、音自体が軽いからか濃さは感じない。楽器は明るめの音調のせいもあって、ピアノがやや不自然か。

合う曲のジャンルはポップス、ロック。バランスの良い機種だし、コストパフォーマンスも最高。

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まとめ

SBC-HP830の画像2

上述したが、装着感が許せるかどうか。この機種はこの点にかかっている。許せるなら外観、音とも実売4,000円程度とは思えないものを持っているので、かなりおすすめだ。ただし、音の濃さを重視するなら、アイワのHP-X122の方が魅力的に聴こえるかもしれないが・・・。

装着感に難はあるが、価格以上は十二分に楽しませてもらった。

作り デザイン 装着感 遮音性 音漏れ防止
3 3 2 3 3
携帯性 音質 楽しさ
1 3 3.5

○メーカーホームページ:PHILIPS

SBC-HP830の購入記録と最安値

定価 購入日 購入店 状態 購入価格
オープン 2005/10/29 PCサクセス 新品 3,560円

私の購入記録は上記のとおり。レビュー時点で生産終了しているので、詳細は記載しない。

最安値は私の知る限りでは新品2,000円ほど。

※商品価格はいずれも税込表示。

その後

イヤーパッド下部にティッシュを詰め込むことで、音と装着感が若干改善。

追記:普通のヘッドホンは、5年以上経過するとイヤーパッドが痛んでくるが、SBC-HP830のイヤーパッドはびくともしない(笑)。

追記:10年ほど経過しても、イヤーパッドは大丈夫なのだが、ヘッドバンドはさすがに痛んできた。

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