HD595(SENNHEISER)のレビュー

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HD595の画像

主な仕様
型式
開放ダイナミック型
ドライバー直径
周波数帯域
12~38,500Hz
最大許容入力
500mW
インピーダンス
50Ω
感度
112db
質量
約270g
プラグ
ステレオ標準(金メッキ)
コード
約3m OFC(片出し)

SENNHEISER(ゼンハイザー)は、世界で初めて開放型のヘッドホンを発売したドイツのメーカーである。その同社の現代版ともいえる開放型ヘッドホンが、HD595だ。

シリーズとしては下位機種にHD515、HD555がある。上位機種にHD650があるが、音の傾向が違うとのこと。HD650に音の傾向が似ているのは、生産終了したHD580らしい。

メーカーとしては、海外の老舗のオーディオメーカーということで有名。私も憧れの対象で、「いつかはここのヘッドホンを手に入れてやるぞ。」と思っていた。で、手に入れたのがこれ。

せっかくなら、最上位機種のHD650にしてやろうとも思ったが、サウンドハウスでも価格が40,800円。高い。プレイステーション3の本体を買って、おつりがきてしまう。円高に乗じて、海外の通販で買おうとも思ったが、結局これにした。

※HD595には生産国やインピーダンスの違いにより3種類ある。具体的にはアイルランド製の120Ω版と中国製の120Ω版、中国製の50Ω版である。現在出回っているものは大半が50Ω版のようだ。

開閉ロック付きのしゃれた外箱に本体、ヘッドホン・ホルダー、変換プラグ(ステレオ標準→ステレオミニ)などが入っている。高いヘッドホンだからといって、他のレビューで取り上げたヘッドホンと入っている物はそんなに変わらない。

変換プラグは金メッキ処理されているもの。

保証書が入ってなくて「あれ?」と思うが、海外からの直輸入品はこれが当たり前らしい。この場合は販売店の保証になる。私はサウンドハウスで購入したので、1年間のサウンドハウス保証。

外観

全体的に普通か。プラスチックの部分も多いが、それなりに質感のあるツボを押さえた外観。プラスチックは基本的に塗装だが、さらに上からサンドブラストを掛けたような質感になっている。ただし、一部の商品画像とはかなり色が違うので注意が必要。シャンパンゴールドとのことだが、実物はほとんどゴールドには見えない。

また、これは個体差があるかもしれないが、パーツとパーツの噛み合わせがやや甘いのが気になる。中国製とのことだが、この辺りはちょっと残念。

デザインは好みの問題があるが、色使い含めなかなか良い。

ハウジングは黒い網目状の部分のみ金属製のよう。全体的に塗装が施されている。内部にメーカー独自のマークがあり、良いアクセントになっている。

調節機構は目盛りはないが、ロックがかかるタイプで、調節幅が簡単に変わることはない。

ヘッドバンドは人工皮革のようなもので保護されている上、豪勢なパッドが付いている。パッドは十分な厚さがあり柔らかい。縫い込みは丁寧で問題なし。ヘッドバンド上面には、メーカー独自のマークと【SENNHEISER】の凹文字。文字に色は付いていない。

イヤーパッドはベロア調のフカフカした布製で柔らかい。肌触りはかなり良い。付いた油分は見えないので気にならないが、ほこりが付きやすい上、目立つので気になる。ドライバー周辺も何か変わった形。今までのヘッドホンと違う。

コードは片出し。長さ約3m、太さ約4mm。硬さは普通で特に扱いづらさは感じないが、癖が付きやすいか。一度付いた癖もなかなか直らない。

プラグはステレオ標準プラグ。金メッキ処理されている。付属の変換プラグでステレオミニプラグに変換できる。

装着感

極上。これ以上の装着感があるのかと思えるほど。イヤーパッド、ヘッドバンドのパッドとも柔らかく心地良いし、側圧も適度。重量は軽くも重くもなく、頭頂部も気にならない。

ハウジングの角度調節は上下左右にできる。イヤーパッドは耳全体を覆い、耳に全く触れない。これは感動。耳を完全に囲っていて、何か人間工学で計算されたような装着感。開放型なので遮音性、音漏れ防止はないに等しい。

環境:SE-200PCI(オンキョー)の2ch専用ライン出力→MiniAMP Amp800(BEHRINGER)

音の傾向はやや低音よりのフラット。音自体は太すぎず、細すぎずちょうど良いのだが、何かエッジがぼかされていて生ぬるい。高音の量はやや少なめ。SENNHEISERの機種の中では高音が出る方らしいが、「これで?」と思うレベル。低音の量は開放型にしては多く緩い。多いとはいっても出すぎということはない。こもりはほとんど感じない。

声などの中音は他の音に埋もれずはっきり聴こえてくるし、情感が素晴らしい。繊細さと温かみを両立し、かつ力感がある。

音場は価格の割りにかなり良い。声だけは若干耳に近いところで鳴るのだが、他の音は奥行きがあり立体的。一音一音、距離間が違うように感じる。それでいて、定位が決まるところが凄い。ただし、音に温かみがありすぎて空間に薄いもやを感じる。音の抜け自体は低音の量が多いにもかかわらず良い。

基本性能、原音忠実性、質感、鮮やかさ、厚みすべて価格以上の価値がある。特に質感はかなり良い。繊細さ、艶やかさ、温かみすべて高次元。滑らかで柔らかく心地良い。基本性能も分解能という面ではかなり良いのだが、解像度という面では伸びない高音ともやけた音が悪影響。この点は好き嫌いがあるか。

ノリ、打ち込み表現は価格なりか。締まりの足りない低音ともやけた音がやや合わない。楽器はもやけた音のせいで、ドラムやシンバルがやや決まらない。

合う曲のジャンルはポップス、それもバラード。打ち込みの多いポップスやロックは、上記が理由であまり合わない。バランス、コストパフォーマンスとも良い。

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まとめ

HD595の画像2

SENNHEISERのHD595はレビューどおり、総合的によくできたヘッドホンであるのは間違いないだろう。

しかし、ポップス、ロックを大雑把に聴く場合、私は音だけならALESSANDRO(アレッサンドロ)のMUSIC SERIES ONE(MS-1)を薦める。もちろん、HD595の方が音含め全体的に上なのだが、上述したように打ち込みには不向きに思う。ただ、バラードはかなりよく、バラード専用とするなら文句ない。

刺激はないが、至福の一時が送れる逸品。

作り デザイン 装着感 遮音性 音漏れ防止
3 4 4.5 2 2
携帯性 音質 楽しさ
1.5 4 3.5

○メーカーホームページ:SENNHEISER

HD595の購入記録と最安値

定価 購入日 購入店 状態 購入価格
37,800円 2008/08/26 サウンドハウス 新品 21,800円

私の購入記録は上記のとおり。代引きで買ったので送料525円、代引き手数料315円をプラスし、実質22,640円。

最安値は、私の知る限りではAmazon.co.jpの新品13,800円。2005年の9月10日につけた値段だ。あまりの安さに下位機種、HD555の値段の付け間違いとの噂も出たほど。この値段まで下がることはもう二度とないだろう。

追記:2012年12月現在の最安値は、サウンドハウスの新品15,800円か。よって、代引きで買う場合、15,800円+送料525円+代引き手数料315円=合計16,640円。今でも私が買った値段より6,000円も安く買える。

※商品価格はいずれも税込表示。

その後

HD595のイヤーパッドはベロア生地で心地良いのだが、非常にほこりが溜まりやすい。私はほこりが溜まると、右の画像のようにいちいち人差し指でかき集めて取っている。誰か簡単にほこりを取る方法知りませんか?

追記:HD595は生産終了。後継機種はHD598。世評によれば、音はほとんど変わらないとのこと。仕様は以下のように若干の違いがある。

個人的には、コードが着脱できるようになったのはちょっと羨ましい。

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