無料で高音質なWindows用の音楽再生ソフトとは?

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私のfoobar2000の画像

無料で高音質なWindows用の音楽再生ソフトとは、結論から言えば、AIMPやfoobar2000、uLilithなどである。ひとつに絞れないのは、音の傾向や味付けは違っても、音質的にはほとんど同じだから。サンプリング周波数とビット深度のスペックが同じなので、当たり前といえば当たり前である。それよりここで重要なのは、上記のソフトがちゃんとASIOとWASAPIに対応していることだ。

※現在のほとんどの音楽再生ソフトは、CD音源(44.1kHz/16bit)はもちろん、ハイレゾ音源(44.1kHz/16bit以上)も再生できるスペックを持っている。

Windowsの場合、音楽再生ソフトがASIOかWASAPIに対応していることは、非常に重要である。なぜなら、どちらも使えなければ、Windowsのオーディオエンジン(カーネルミキサー)を強制的に経由させられ、音質が激しく劣化するからだ。これは音の傾向や味付けなどといったレベルではなく、私の環境でもすぐに音質の劣化とわかるレベルだったので絶対である。

よって、Windows用の音楽再生ソフトを選ぶ際は、サンプリング周波数とビット深度のスペックが同じなら、オーディオエンジンを回避できるASIOかWASAPIに対応しているものを選ぶべきである。

さて、高音質なWindows用の音楽再生ソフトに必要不可欠なASIOとWASAPIだが、ここでもう一度、それぞれを軽くおさらいしておこう。

ASIOとは?

スタインバーグのロゴの画像

ASIO(Audio Stream Input Output:アシオ、エイシオ)とは、ドイツのSteinberg(スタインバーグ)社が開発した、オーディオデバイスのドライバーインターフェースである。遅延や負荷において、WASAPIより有利といわれる。また、ASIO2.1以降では、DSD音源のネイティブ転送方式に対応しているため、この環境ではWASAPIより音質も上かもしれない。

※ネイティブ転送方式とは簡単に言えば、DSDデータを直接送る方式のことである。

ただし、ASIOドライバーを使うには、サウンドデバイス(サウンドカードやDAC)がASIOに対応している必要がある。対応していないデバイス向けにASIO4ALLがあるが、正規版と音質が同じかどうかはわからない。

WASAPIとは?

マイクロソフトのロゴの画像

WASAPI(Windows Audio Session API:ワサピ)とは、アメリカのMicrosoft(マイクロソフト)社がWindows Vistaから導入したオーディオAPIである。Windows標準のAPIのため、基本的にどんなサウンドデバイスでも使える。ただし、DSD音源をネイティブ再生する場合は、デバイスがDoP転送方式に対応している必要がある。

※DoP転送方式とは簡単に言えば、PCMデータにDSDデータを乗せて送る方式のことである。DSDデータを直接送っているわけではないので、ASIOのネイティブ転送方式より音質面で不利といわれる。

また、WASAPIには、共有モードと排他モードの2種類の動作モードがある。共有モードは、他のアプリケーションとWindowsのオーディオエンジンを共有するモード。つまり、オーディオエンジンを経由するので、音質が劣化するモードである。

それとは反対に、排他モードは、他のアプリケーションと共有しているWindowsのオーディオエンジンを排他するモード。つまり、オーディオエンジンを回避するので、音質が劣化しないモードだ。よって、高音質を求めるなら、必ず排他モードを選ぼう。

※排他モードを選ぶと、音楽の再生中に他のアプリケーションから音が出なくなるが、故障ではない。音の入出力を管理していたオーディオエンジンを介さないので当然の結果だ。また、これは上述したASIOも一部例外を除いては同様である。

ASIOとWASAPIの音質を比較

環境:foobar2000→DS-DAC-10-SV(コルグ)→HD595(SENNHEISER)

ASIOとWASAPIでは、音質はどちらが上なのか?私が現在使っているfoobar2000に、ASIOとWASAPI排他モードを交互に設定し、色々なファイル形式の音源を使って比較してみた。結果、音質の違いは全くといって良いほどわからない。これなら、どちらを選んでも同じだと思う。まあ、せっかくDS-DAC-10がASIOに対応しているので、DSD音源を使う場合はASIOを選んでおくか。

※DS-DAC-10は、ASIOのDSDネイティブ再生であるネイティブ転送方式に対応しているが、WASAPIのDSDネイティブ再生であるDoP転送方式に対応していない。

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無料で高音質なWindows用の音楽再生ソフト10選

Windows 10の画像

最後に、無料で高音質なWindows用の音楽再生ソフトを10個選んでみた。音の傾向や曲の管理のしやすさ、デザインなどを検討して使うソフトを決めれば良い。個々のソフトの設定や使い方は、ネットの情報を参考にしよう。

ソフト名 ASIO WASAPI 備考
AIMP ロシア製
Bug head CPUのスペックが必要
foobar2000 設定が難しい
iTunes × iPodの転送ソフト
MediaMonkey なかなかよさそう
MusicBee なかなかよさそう
Music Center for PC ウォークマンの転送ソフト
TuneBrowser なかなかよさそう
uLilith オタクっぽい
Winamp いつの間にか復活してたw

※定期的に更新され、最新のWindowsに対応しているものに限る。

私が現在使っているfoobar2000は、手放しではおすすめできない。このソフトは、音の傾向と曲の管理のしやすさは普通に良いが、設定が難しくて導入しづらい。ある程度のデザインまで持っていくだけでも大変。だから、現在ならTuneBrowser辺りが良いのではないか。私は苦労してfoobar2000を設定したので、変に愛着が湧いて乗り換えられない(笑)。

また、iTunesは現在WASAPIが共有モードだけなので、他のプレーヤーと比べると、音質はやや劣るだろう。

まとめ

無料で高音質なWindows用の音楽再生ソフトとは、AIMPやfoobar2000、uLilithなどである。なぜなら、これらはサンプリング周波数とビット深度のスペックが同じ上に、Windowsのオーディオエンジンを回避できるASIOとWASAPIに対応しているからだ。

ASIOかWASAPIが使えなければ、音質劣化の要因となるWindowsのオーディオエンジンを強制的に経由させられるので、せめてどちらかに対応している音楽再生ソフトを選ぼう。ASIOとWASAPIは、音質の違いはほとんどないから、どちらを選んでも良い。ただ、ASIOはサウンドデバイスもASIO対応の必要がある。

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