主な仕様 |
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型式 |
密閉バランスド・アーマチュア型 |
ドライバー直径 |
- |
周波数帯域 |
5~25,000Hz |
最大許容入力 |
100mW |
インピーダンス |
24Ω |
感度 |
106db |
質量 |
4g |
プラグ |
L型ステレオミニ(金メッキ) |
コード |
1.2m |
カナル型のイヤホンには、バランスド・アーマチュア型という名前のかっこいい型式がある。補聴器の小さなドライバーが進化した型式で、音の傾向は一般的に高音よりらしい。
私はバランスド・アーマチュア型のイヤホンを購入したことがなく、どんな音を出すのか興味があったので、まずは手頃なソニーのXBA-C10(G)を買ってみた。生産終了品だが、なかなか評判が良い、この型式の入門機である。価格は構造上の問題かダイナミック型の入門機より少し高い。
色は(B)ブラック、(W)ホワイト、(R)レッド、(G)グリーンの4色がある。ブラックのイヤホンばかり購入するのは飽きてきたので、今回は少し変わったグリーンにした。
シリーズとしては、同等機種にリモコンの付いたXBA-C10IPがある。
なかなかかっこいい外箱に本体、ハイブリッドイヤーピース、コード長アジャスター、クリップ、取扱説明書、保証書が入っている。生産終了後のアウトレット品なので、どんな状態か心配だったが、外箱に多少スレがある程度だった。
ハイブリッドイヤーピースは、SS・S・M・Lサイズの4セットが付属。Mサイズは本体にあらかじめ装着されている。イヤーピースのサイズは、内部の芯がサイズごとに色分けされているのでわかりやすい。
※ハイブリッドイヤーピースとは、硬さの異なる2種のシリコンを組み合わせたイヤーピースのことである。部分的に硬さを変えることで音質がよくなるらしい。
コード長アジャスターはコードの長さを調節するためのもの。
クリップはコードを衣服などに固定する際に使う。
保証書の保証期間はいつもどおりメーカー保証が1年。
全体的に良くも悪くもない。材質は入門機にふさわしく、大体がプラスチックだが、光沢のあるパーツと【SONY】のロゴを上手く使っていて、そんなに安っぽくは見えない。本体のサイズは、バランスド・アーマチュア型の小さなドライバーを使っている割には大きいが、重量は軽い。コードの出どころ部分はゴムでできており、断線に配慮している。
デザインは好みの問題があるが、色使い含めなかなか良い。グリーンの光沢のあるパーツが、良いアクセントになっている。
イヤーピースは薄いシリコンゴム製で十分柔らかい。このイヤホンは、上述したようにハイブリッドイヤーピースモデルである。
コードは長さ1.2m、太さ約1mm。途中から2本が合流する形(合流後は太さ約2mm)になる。コード表面の細かい溝は、からみの原因である摩擦を低減するために付いているとのこと。ソニーはこれをセレーションコードと呼んでいるようだ。言われないとわからないぐらい芸が細かいので、ここにコストがかかっているのではないか(笑)。コードの硬さは普通で特に扱いづらくはない。
左右のコードの長さは同じ。このイヤホンはソニー製だが、左右のコードの長さが違う、いわゆるネックチェーン方式にはなっていない。太さは合流前が細いので断線しないかやや心配。
コードには、スライダー(コードスライダー)が付いているため、コードを好きな長さにまとめてからむのを防止できる。また、画像では見づらいが、コードスライダーのストッパーに入れられた【THAILAND】の凸文字から、このイヤホンはタイ製ということがわかる。
プラグはL型ステレオミニプラグ。きっちり金メッキ処理されている。
かなり良い。バランスド・アーマチュア型の小さなドライバーを使っている割には、体積が大きいが、イヤーピースに近い部分だけ細くなっているので、耳に押し込めやすいし、外しやすい。それでいて、装着安定性もなかなか。ソニーのホームページ上でうたわれている、デルタ形状フィッティングアシスト機構の効果か。
遮音性、音漏れ防止も、私が持っている他のダイナミック型のカナル型イヤホンより良い。
環境:ウォークマン NW-S736F(N)(ソニー)
音の傾向はやや高音よりか。音自体は太すぎず、細すぎずちょうど良い。高音の量はやや多いが、それほど伸びない、綺麗ではない高音。低音の量はカナル型にしては少なく、こもりはほとんど気にならない。声などの中音は他の音に埋もれずはっきり聴こえてくる。
音場は普通。バランスド・アーマチュア型のドライバーは小さいので、音場が狭いのではないかと思っていたが、同等のダイナミック型のカナル型イヤホンとほとんど変わらない。
基本性能、原音忠実性、質感、鮮やかさは価格よりやや良い。厚み、ノリ、打ち込み表現は価格なりか。特に厚みとノリは低音の量が少ないので、かなり不足しているように感じる。まあ、ダイナミック型のカナル型イヤホンと比べての話だが。人によっては、こちらの方がバランスが良いと感じるだろう。楽器は特に苦手といったものはないように思う。
合う曲のジャンルはポップス。ロックも悪くないが、ダイナミック型のカナル型イヤホンと比べると、低音の量が少なく、迫力がないことが気になる。ただ、上述したようにダイナミック型の低音が多すぎると思う人には、ドンピシャかもしれない。バランスは良いし、コストパフォーマンスも悪くない。
ソニーのXBA-C10(G)は、作りは価格なりで、音は多少インパクトに欠けるかなという印象だが、装着感や遮音性、音漏れ防止に優れるので、かなり使えるイヤホンだと思う。特に外で使いやすい、低音の少ないカナル型のイヤホンを探している人には、良い選択肢である。個人的には、バランスド・アーマチュア型の音の傾向が、わかってよかった。
作り | デザイン | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ防止 |
---|---|---|---|---|
3 | 3.5 | 4 | 4 | 4 |
携帯性 | 音質 | 楽しさ |
---|---|---|
4.5 | 3 | 3 |
○メーカーホームページ:ソニー
定価 | 購入日 | 購入店 | 状態 | 購入価格 |
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5,076円 | 2017/7/13 | エディオン 楽天 | 未使用 | 3,090円 |
私の購入記録は上記のとおり。エディオン楽天市場店のアウトレット品。レビュー時点で生産終了しているので、詳細は記載しない。
最安値は私の知る限りでは新品1,500円ほど。現在は値上がりしているが、発売した当初は2,000円以下で普通に購入できたらしい。そう考えると、コストパフォーマンスはかなり良いね。
※商品価格はいずれも税込表示。