HDD(ハードディスクドライブ)ほど壊れたら困るものはない。なぜなら、HDDが物理的に壊れると、中のデータが取り出せなくなる可能性が高いからである。そこで、誰でも考えることが、HDDの耐久性・寿命はメーカーによって違うのか、できるだけ耐久性が高くて寿命が長いHDDは、どのメーカーのものかということだろう。
ネット上には、このテーマについて色々な見方があるが、現在の私の意見は、以下のとおりである。
オンラインバックアップサービスを展開するBACKBLAZE社が、ある期間のHDD故障率の統計データを公開しているのだが、私はこれを鵜呑みにはできないと思っている。
理由は、まずモデルごとにHDDの数が違うからである。これだけ数が違うと、初期不良と運用日数とのかね合いで、故障率はどうにでもなりそうだ。
次にBACKBLAZEはデータセンターでHDDを使用しており、個人とは使う環境が違うからである。
BACKBLAZEがどんな基準でHDDを選んでいるのかわからないが、データセンター用途に向いているHDDは故障率が低く、データセンター用途に向いていないHDDは、故障率が高くなっている可能性があるのだ。そもそも個人とは使う環境が違うので、あまり当てにならないというわけである。
以上の理由から、HDDの耐久性・寿命はメーカーによってそれほど違わないと思われる。よって、BACKBLAZE社のHDD故障率の統計データは、参考程度に留めておくのが無難である。
HDDの平均寿命は一般的に約4年といわれる。この数字についても、BACKBLAZE社の統計データが参考になる。
データによれば、BACKBLAZEでは数万台のHDDを稼働しているが、4年だとその80%ほどには何の問題もないとのこと。それが6年になると、何の問題もないHDDは50%ほどに急激に下がるらしい。つまり、何かしらトラブルを抱えたHDDの量が、4年から6年で20%から50%に急激に上がるのだ。このことから、4年に1回HDDを交換するのは理にかなっているといえる。
ただし、前述したように、BACKBLAZEはデータセンターでHDDを使用しているので、電源は常時点いている状態だろう。そう考えると、一般的な使い方では、HDDの平均寿命はもう少し長く見ても良いかもしれない。
現に私も今までに十台ぐらいのHDDを使用しているが、物理的に壊れたHDDは一台もないのである。ただ単に運が良いだけ?まあ、何にしても、バックアップをちゃんと取るのが一番安全ではある。
おすすめのHDDメーカーとは信頼性を重視するなら、HGST(旧日立)かWestern Digital、価格の安さを重視するなら、Seagateだろう。東芝は現在倒産の危機でHDDどころではない。
HGSTはWestern Digitalの傘下になってしまったが、生産拠点は同じようなので、現在でも高い信頼性を保っていると思われる。
Western DigitalはBlue、Black、Red、Purple、Goldの5色のHDDシリーズがあるが、一番信頼性が高そうなのはRedである。信頼性にこだわるなら、Redを購入すれば良い。
Seagateは前述したHDD故障率の統計データで叩かれてしまったが、データ自体がもともと鵜呑みにはできないし、最近のHDDの数を増やしたデータでは、故障率が改善しているので、大きな問題はなさそうである。
HDDの耐久性・寿命はメーカーによってそれほど違わないと思われる。少なくとも、BACKBLAZE社のHDD故障率の統計データは、参考程度に留めておくのが無難である。
HDDは4年から6年で一気に故障率が上がるので、4年に1回交換するのが安全だ。バックアップも必ず取っておこう。おすすめのHDDメーカーとは信頼性を重視するなら、HGST(旧日立)かWestern Digital、価格の安さを重視するなら、Seagateだろう。