光ディスクとはCDやDVD、BD(ブルーレイディスク)のように、レーザー光によってデータを読み書きする記憶媒体のことである。光学ディスク、光学メディアともいう。どれも外観はほとんど同じなのに、種類が多くてわかりにくいのが難点。ブルーレイが登場してからなおさらわかりにくくなった。
よって、ネットの情報をもとに、確認をかねて現存する光ディスクをざっと調べてみた。後で見てもわかりやすいように、種類や容量などを一覧表にしてまとめておこう。
メディア | 規格 | 読み出し | 書き込み | 容量 | 回数 |
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CD | CD-ROM | ○ | × | 650~700MB | 0 |
CD-R | ○ | 1 | |||
CD-RW | 1,000 | ||||
DVD | DVD-ROM | × | 4.7~17.08GB | 0 | |
DVD-R | ○ | 1 | |||
DVD-R DL | |||||
DVD+R | |||||
DVD+R DL | |||||
DVD-RW | 1,000 | ||||
DVD+RW | |||||
DVD-RAM | 100,000 | ||||
BD | BD-ROM | × | 25~100GB | 0 | |
BD-R | ○ | 1 | |||
BD-RE | 1,000 |
※光ディスクの直径は12cmか8cmだが、現在の光ディスクの直径は、ほぼ全て12cmである。
※回数の項目はメディアが書き込みできる回数を表している。
ROM(ロム)とはRead Only Memoryの略で、データの記録と削除が一切できない読み取り専用のもの、RとはRecordableの略で、データの記録が1回だけできるもの、RWとはReWritableの略で、データの記録と削除が1,000回以上できるもののことである。REとはReWritableの略でRWと同じ意味である。
DVD±R DL(Dual Layer)とは、2層式のDVD±Rのことである。記録面を2層にすることで2倍の容量を実現している。ただ、1層式に比べて書き込み速度が遅く、DVDドライブもDLに対応している必要がある。
DVD-RAM(Random Access Memory)とは、DVD±RWと違い、ハードディスクやフロッピーディスクのように、データの記録と削除ができるDVDのことである。データの記録と削除は100,000回以上できる。ただ、他のDVDの規格と互換性がなくて少しマニアックだ。
DVDの-(ハイフン)と+(プラス)は、規格を作った組織が違う。-の規格はパナソニックや東芝、日立、Microsoft、IBMなどが参加するDVDフォーラムという組織で作られたのに対し、+の規格はソニーやPhilips、DELL、HP、三菱化学メディアなどが参加するDVD+RWアライアンスという組織で作られた。
規格を作った組織が違うので、双方のメディアに互換性はない。対応するドライブの数は、先に作られた-の規格の方が多い。
書き込み速度は、メディアによって基準となる1倍速の速度が異なる。CDは150KB/s、DVDは1,385KB/s、BDは4,500KB/sだ。メディアのパッケージなどに○倍速対応と表記されているのは、この値をもとにした書き込み速度である。
また、これは当たり前だが、○倍速の書き込みを行う場合、光学ドライブとメディアの両方が○倍速の書き込み速度に対応している必要がある。
音楽CD(CD-DA)の仕様は、規格上で決まっていて一定のため、最大記録時間も決まってくる。音楽CDの最大記録時間は640MBのCDで約70分、650MBで約75分、700MBで約80分となる。規格上では97分まで可能らしい。
※CD-DA(Compact Disc Digital Audio)とは、コンパクトディスクに音楽などの音声を収める規格のことである。
各メディアの用途は、現在では音楽CD(CD-DA)を作成するならCD、それ以外ならDVDかBDになるだろう。パソコンのデータを記録するなら、容量だけ考えれば何でも良いが、テレビを録画するなら、録画用のCPRMに対応したものがいるので注意が必要。何回も書き換えたいなら、DVD±RWやDVD-RAM、BD-REを購入しよう。
※CPRM(Content Protection for Recordable Media)とは簡単に言えば、デジタル放送の「1回のみ録画可」である映像をDVDなどに録画した後に、別の記録メディアにデジタルコピーできなくする著作権保護技術のことである。
DVDドライブの対応規格は以下の4種類である。DVDが読み書きできるドライブなら、基本的にCDも読み書きできる。
CDには音楽用とデータ用の2種類があるが、違いがふたつある。
第一に、著作権料(私的録画補償金)が価格に反映されているかいないかである。音楽用は、私的録音録画補償金制度により、著作権料が上乗せされているのに対し、データ用は何も上乗せされていない。よって、音楽用はデータ用に比べてやや価格設定が高い。
第二に、一般のCDレコーダーなどで書き込みができるかできないかである。パソコンでは、音楽用でもデータ用でも問題なく書き込みできるが、一般のCDレコーダーなどでは、音楽用でないと、書き込みできない可能性が高い。
また、これは事実かどうかわからないが、音質も音楽用の方が若干良いといわれている。
DVD/BDには録画用とデータ用の2種類があるが、違いがふたつある。上述したCDと似ている。
第一に、著作権料(私的録画補償金)が価格に反映されているかいないかである。録画用は、私的録音録画補償金制度により、著作権料が上乗せされているのに対し、データ用は何も上乗せされていない。よって、録画用はデータ用に比べてやや価格設定が高い。
第二に、テレビが録画できるかできないかである。録画用はCPRMに対応しているため、テレビが録画できるが、データ用はCPRMに対応していないため、テレビが録画できない。
ファイナライズとは、CDやDVDなどの記録型の光ディスクにおける、データ構造を完結させて互換性を持たせる処理のことをいうが、BDは規格外のため、BDにファイナライズは必要ない。
CDやDVDなどは、追記型メディアのことを考慮せずに、当初のROM方式のメディアの規格を標準化してしまったので、後発の追記型メディアと互換性が取れなかったのに対し、BDは当初から追記型メディアを考慮して標準化しているので、互換性が取れているのである。
※BD-Rはファイナライズすることも可能。BD-REは不可能。
CD/DVD/BDの外観は直径が12cm、厚さが1.2mm、材質がポリカーボネートでどれも同じだが、構造が違って一長一短ある。
CDは、記録層がレーベル面(印刷面)に極端に寄っているので、レーベル面の傷に弱い。その代わり、記録面(光る面)の樹脂層は1.2mmと一番厚く、記録層の構造も単純で耐久性がありそうである。
※記録層とはデータを書き込んでいる層、樹脂層とは記録面の透明な層のことである。
DVDは反りに強くするために、CDの半分の厚さのディスクを2枚貼り合わせた構造になっている。よって、レーベル面と記録面の耐久性のバランスが一番取れているだろう。その代わり、記録面の樹脂層は0.6mmとCDより薄く、記録層の構造も複雑である。そして、貼り合わせに使った接着剤も劣化しないか気になる。
BDは大容量にするために、厚さ1.1mmの基板の上に記録層を作成し、その上から厚さ0.1mmのカバー層を被せた構造になっている。よって、記録面の樹脂層が0.1mmしかなく、耐久性がなさそうだし、記録層の構造も複雑すぎる。その代わり、記録面にTDKのDURABIS(デュラビス)などのハードコート技術が施されている。
記録層に使われている色素は、CD±RWやDVD±RW、DVD-RAM、LTH以外のBDが無機系色素、CD±RやDVD±R、DVD±R DL、BD-R LTHが有機系色素である。無機系は有機系より経年劣化に強いといわれるが、紫外線に強いだけで熱に弱いという情報もあり、詳細はよくわからない。
まあ、結局は容量が問題になってくるので、メディアごとの寿命を追求しても、あまり意味がないかもしれない。寿命はどのメディアも100年などといわれるが、こればかりは保管し続けなければわからない。
確実に言えることは、光ディスクは信頼できる日本製のものを購入し、黒いケースに入れて暗い湿気のない涼しい場所に縦置きで保管すれば、長持ちするということぐらいである。海外製の安物はすぐ読み込めなくなるとよくいわれるが、それは私も経験済みだ。
※何回も書き換えられるメディアは耐久性がありそうだが、熱に敏感に反応する素材を使っているため、1回しか書き込めないディスクと比べて長期保存に向かないらしい。